わかるようでわからない、お雑煮とけんちん汁の違い。
こちらではお雑煮とけんちん汁の違いがわかります。
発祥の違い
お雑煮とけんちん汁、それぞれの発祥の違いを簡単に挙げると以下になります。
- お雑煮→お祝い事。神様へのお供え物を人間も食べることで縁起を担ぐ(平安時代から)
- けんちん汁→精進料理(鎌倉時代の禅寺・建長〔けんちょう〕寺から)けんちょうが訛ってけんちんになった。
具材の違い
お雑煮とけんちん汁の一番大きい違いはお餅を入れる、入れないです。
- お餅を入れる→お雑煮
- お餅を入れない→けんちん汁
ちなみに、お雑煮のうち、東日本は角餅、西日本は丸餅の違いがあります。(※例外の地域もあります。)
その他、ご当地の具材を使うこともあります。(たとえば北海道のお雑煮ではイクラを添えるなど)
次の違いは「使用する具材の種類」です。
- お雑煮→具材は少なめの傾向
- けんちん汁→具だくさんの傾向
お雑煮には、お餅の他、野菜やかまぼこが、
けんちん汁には、鶏もも肉、ごぼう、サトイモ、しいたけ、こんにゃく、油揚げが入ることが多いです。
もっとも最初から、お雑煮にもけんちん汁にもなるレシピで作っている人も多く、明確な違いはあまりないです。
共通点3つ
お雑煮とけんちん汁の共通点1つ目は、「すまし汁」である点です。
どちらも味付けが似ているため、お雑煮の残りをけんちん汁として食したり、逆にけんちん汁の残りでお雑煮を作って食べる人もいます。
お雑煮とけんちん汁の共通点2つ目は、「食べる時期」です。
どちらも正月に食べる傾向にあります。
正月は休みたいので、けんちん汁を一度に大量に作っておくのです。
味のベースは似ているため、お餅を入れて雑煮にもできます。
例外で、関東地方の一部では、節分など冬のイベントにけんちん汁を食べる地域もあります。
お雑煮とけんちん汁の共通する具材もあります(これが3つ目になります)。
共通した具材
- 大根
- ニンジン
お雑煮とけんちん汁どちらにも、大根とニンジンはだいたい入っています。
要約
以下に、お雑煮とけんちん汁の違いを簡単に早見表にしました。
違い | お雑煮 | けんちん汁 |
発祥 | 元旦の縁起担ぎ | 精進料理 |
生まれた時代 | 平安時代 | 鎌倉時代 |
お餅 | 入れる | 入れない |
具材 | 少なめ | 多め |
共通点は以下です。
お雑煮とけんちん汁の共通点
- すまし汁である。
- 正月に食べる。
- 大根と人参は必ずといっていいほど入れる。
例外で一部地域は、小豆仕立てや味噌仕立であったり、ご当地の食材を使ったり、個性があります。
ご家庭によっても使う食材が異なります。
同じように見えて全く違うお雑煮とけんちん汁。
自分の家ではこれが当たり前と思っていても、結婚などで違うご家庭の味を知ることで、お雑煮やけんちん汁がより奥深く感じますね。