水性と油性の違い(ペン)5つ!

●ヨジゲン1巻 70ページより。水性と油性について疑問をなげかけています。

●今回の記事が役立つ人
(○こんな人におすすめ○)

・ペンで、水性と油性は何が違うのか知りたい人。


「ペンって、水性と油性があるけど、どう違うんだろう?こっちの方が向いてるってある?」

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水性と油性の違い(ペン)5つ!

使い道

向いている使い道の違いを水性と油性別にまとめました。

水性 油性
プラスチック プラスチック
木材 木材
金属 金属
ガラス ガラス
写真 皮革
段ボール
ビニール
コンクリート
クラフトテープ
ゴム
陶器
など など

(油性)

ガラス例

●瓶

紙例

●サイン
●ノート(表面)

金属例

● ステンレス
● 鉄
● 銅
● 合金
● アルミ

プラスチック例

●メガホン
● プラモデル

(水性)



● 教科書
● 辞典
● はがき
● サイン
● イラスト
● デザイン
● スケッチ
● 色鉛筆代わり

両方OK

● 寄せ書き
● サイン
● プラスチック

油性ペンが向かない素材

発泡スチロール→書くと溶けるからです。
(しかし、特殊インキを使ったペンでしたら書けます)。

※特定の素材に強い専用のペンがあります。

例 プラスチックペン、段ボール用マーカー

また、業務用・工業用油性ペンもあり、特殊な素材でも書けるタイプは仕事で使う時に便利です。

※蛍光ペン、筆ペンも水性の仲間です。

水性は、個人用に使います。

例えば、教科書や辞典の大事な部分に線を引く時は、裏うつりしない水性ペンを使います。

他人に向けて書く時も、親しみやすさを感じさせたいときに使います。

例えば友達へのメッセージカードで、親愛のきもちを伝えます。

また、お店のラミネートポップでは、カラフルな色を使ってお客さんに「この商品おすすめですよ」と、良さをアピールしたい時に使います。

ある文字を目立たせたい時に、文字の周りを囲うことで、殺風景な見た目から、親しみある見た目に変えることができます。

油性は、他人への注意喚起で使われることが多いです。

例えば、ワレモノ、キケンなど絶対に見て欲しい注意書きに使われることがよくあります。

注意は消えたら困りますので、油性が向いています。

太さ

傾向は

水性→ほそい
油性→太い

です。

油性は大きくハッキリ目立たせる目的があるからです。

ただ、目的に応じて(書くスペース・素材の大きさ)太さを使い分けますので、実際は水性と油性の太さに明確な違いはありません。

水性

多い
(8色・36色など)

水性は色がとても多く、カラフルな使い分けができます。

ラメいりなどキラキラした文字を書けるのも水性の特長です。

油性

すくない

3色
(黒・赤・青)

必要最低限の色がそろっています。

メリット・デメリット

水性と油性の、メリット・デメリットを一覧表で集めました。

メリット

水性 油性
臭いがない 書ける素材が多い
手についてもとれる 水に濡れてもとれない
色の種類が多い 早く乾く
重ね書きができる プラスチックや金属にもインクが乗りやすい
裏うつりしない
芯が長持ちする

デメリット

水性 油性
とれやすい 鼻を突く臭いがきつい
乾くのが遅い 裏うつりする
乾くまえに触ると手が汚れる 手につくとカンタンにとれない
水に濡れるとにじむ 色の種類がすくない
書ける素材が少ない すぐ使えなくなる

ボールペンの違いは?

違いを表にしました。

水性 油性
家族・友人への伝言 履歴書
私的な紙 仕事書類
筆ペン 仕事のメモ
仕事ノート
冠婚葬祭 事務
思い出の写真 機能性
1本で3色つかえる
伸縮する

共通点
替え芯がある

公文書に使えるペンはどっち?

どちらともいえません。

(油性ボールペンの方が傾向としては公文書向きです)。

そのペンの性質(主にインク)で油性ボールペン、水性ボールペンどちらも使えます。

具体的には顔料インクの使われたペンは公文書向きです。

水性染料インクは公文書に使えません。水にも光にも弱いからです。

(OK!)
● 油性顔料
● 水性顔料
● 油性染料

×(だめ!)
● 水性染料

理由 長期保管がポイントです。
耐性があること。

● 経年劣化に耐えられる。
● 太陽光による色あせに強い。
● 水に強い。

×
● インクが消せるペン
(改ざんできてしまうため)

公文書に使える色は?

黒が一番確実です。

使える色もあればダメな色もあり、一概にこれとはいえません。

しかし、傾向は黒と青が使えることが多く、ペンによっては赤は使えないことがあります。
劣化に強いか弱いかが基準です)。

赤、緑、紫→使えるのと使えないのと両方あります。

ピンク、蛍光色、グレーは公文書に使えません。

同じ油性・水性でも書き味が違う理由

水性や油性といった、原料に関係のない要素が書き味に影響するからです。

書き味に影響する要素5!

1 ボールの精度(ボールペンの場合)
2 インクの出やすさ
3 持ち手の馴染みやすさ
4 使用回数の多さ
5 デザインのよさ

1 ボールの精度(ボールペンの場合)

ボールが小さい→書きにくい
(細い字が書ける、インクが長持ちする)。

ボールが大きい→書きやすい
(字が太くなる、インクがへりやすい)。

2 インクの出やすさ

よく出る方が書きやすいです。

3 持ち手の馴染みやすさ

安いペンは細く、持ちにくい
高いペンは太く、持ちやすい

傾向があります。

安い代わりに書き味が犠牲になっています。

ただ、高ければ満足いく書き味に必ずなってくれるかというと、そうともいえません。

個人の感じ方や手・指の大きさ、持ち方の癖が違うからです。

4 使用回数の多さ

毎日使う→インクが出て思い通りに書ける

久々に使う→インクが乾いて字がかすれる

5 デザインのよさ

好みのデザインがついたペンの方が気分が乗りやすく、書き味に影響します。

要約

傾向 水性 油性
書ける素材 すくない 多い
太さ ほそい 太い
多い すくない

プライベート→水性
仕事→油性

趣味のイラストを描きたい、友達へのメッセージカードや、私的なカレンダー・手帳の予定をカラフルに書きこみたい、楽しげな雰囲気をだしたい場合は水性です。

簡単に消えると困る、ハッキリ目立たせたい場合は油性です。

油性は、大切な書類(履歴書、役所に出す)、封筒の宛名がき、消えてしまうと困るものに向いています。

大人(仕事)→油性
こども(あそび・勉強)→水性

の違いもあります。

公文書は?

公文書に使用できるペンは、以下がポイントです。

×不正改ざんできるペン
×カンタンに消えてしまうペン
〇長年保管しても文字が残るペン

近頃は企業努力でペンはどんどん改良されています。

臭いのない油性ペンや、色あせしにくい水性ペン、消せる水性ペン、こどもに落書きされても消えるペンなど、新しいタイプが出てかなり便利になりました。

水性、油性の基本的な使い方は今も変わりません。

とはいえ改良により、できなかったことができるようになってきています。

書ける素材が増えました。

専用のペンが出てきている通り、将来は、より用途が細分化していくか、共有できる部分が増えるかといった二極化がますます進むかもしれませんね。