「コードとケーブルって 同じ電線だと思うんだけど、 何か違いがあるんだろうか?」
実は、はっきりとした違いがあります。
コードとケーブルの違い(定義)
コードの定義
- 使われる場所→屋内
- 使われる電気機器→小型の家庭用電気機器
- 形態→電源プラグが付いている
- 許容電流→小さい
- 構造→弱い
- 電線の外径→細い
- 寿命→短い
- 固定配線(間をつなぐ・柱などに沿わせて動かないようにする)→禁止
コードと呼ばれるもの
- 掃除機
- ゲーム機
- スピーカーコード
- イヤホンコード
など。
ケーブルの定義
- 使われる場所→屋内・屋外
- 使われる電気機器→小型~大型
- 形態→コネクタが付いている
- 許容電流→大きい
- 構造→強い
- 電線の外径→太い
- 寿命→長い
- 固定配線(間をつなぐ・柱などに沿わせて動かないようにする)→OK
ケーブルと呼ばれるもの
- 通信機器(電話、LAN)
- エアコン
- テレビ
- 電信柱
- エレベータ
- 新幹線
- トンネル
- 船舶
など。
コードとケーブルの違い(構造)
どちらも大きな違いはありません。
同じ種類でも、用途(電力の強弱)によって 構造が変わります。
例えば、流す電流が強ければ、 絶縁体が二重に増えたり、被膜がぶ厚くなったりします。
コードの構造
導体→主に銅
絶縁体→ゴムやビニールなど
線の構造→撚(よ)り線
曲げやすく、扱いが楽だからです。
絶縁体の内部
↓
導体がくるまれた形です。
ケーブルの構造
例 LANケーブル
導体→主に銅
絶縁体→ゴムやビニール、ポリエチレンなど
線の構造→単線・撚り線両方あります。
LANケーブルを見るとわかりやすいです。
複数の電線を組み合わせてできています。
LANケーブルは単純な作りですが、 本来は絶縁済みの電線を、複数組みあわせ、 シース(保護被覆)でまとめて、 1 本の電線にしています。
シースの内部
↓
絶縁体にくるまれた導体
※電気の通った線を二重に保護している形です。
例えば、一般家庭には馴染みがないキャブタイヤコード。
作業現場(工場の機械、クレーン、エレベーター、トンネル工事など)で使われる、電気が通ったまま動かせる電線です。
簡単に感電しないように分厚いゴムやビニールで覆われています。
キャブタイヤケーブルといわれる事もありますが、 呼び名が変わるのは許容電圧量が関係しています。
許容電圧量が・・・
300V(ボルト)以下→キャブタイヤコード
300V(ボルト)より上~600V 以下→キャブタイヤケーブル
キャブタイヤ以外でも 見た目はケーブルっぽくても、 許容電圧量が300V(ボルト)以下で
あれば、コードという事になります。
光コードと光ケーブルの違い
正式名称は光ケーブルです。
ですので、光コードという呼び方は誤りです。
コードとケーブルの定義を見比べてみます。
コード | ケーブル | |
---|---|---|
使用場所 | 屋内 | 屋内・屋外 |
許容電流 | 小 | 大 |
用途電気機器 | 小型の家庭用 | 小型~大型 |
線の数 | 少 | 多 |
構造 | 弱 | 強 |
寿命 | 短 | 長 |
長さ | 短 | 長 |
形態 | 電源プラグ | コネクタ |
固定配線 | 禁止 | OK |
法律 | 電気用品安全法(PSE) | |
外径 | 細 | 太 |
これを見ますと、光ファイバーの呼び方として 正しいのはケーブルという事がわかります。
地面に埋めたり海底に埋めたりするわけですから 丈夫じゃないといけません。
ケーブル、ワイヤー、コードの違いは?
ワイヤーは線丸出しで、 ケーブルやコードは 絶縁体で守られています。
電気が通っている→ケーブル、コード
電気が通っていない→ワイヤー
ワイヤーは単に針金の事を指す場合もあります。
使い道も違います。
ワイヤーは、
たくさんの鍵を綺麗にまとめる、
地震対策に家具を固定する、
絵画や掛け軸を吊り下げる
などが挙げられます。
また通線ワイヤーは、 建物内などに電線やケーブルを通す前に、 あらかじめ設置しておくときに使うものです。
ケーブルやコードのことを ワイヤーという人がいますが、 正確な呼び方ではありません。
イメージで呼び方を変える場合が
ケーブル→新しい、かっこいいイメージ
コード→古いイメージ
実際はコードなのにケーブルと名前のついた 商品があります。
商品の名前ですので正式である必要は無いのですが 消費者からしたら紛らわしいので やめてほしいところです。
ただ、
かっこいいケーブル→伝わる
かっこいいコード→ギターにも当てはまってしまう。
こういった事情もありますので、 コードなのにケーブルと名前を付けるのも しかたない面はあるのかもしれません。
説明する相手によって呼び方を変える
ピンと来ないと意味がないので、 厳密には間違っていても 相手によって、 あえて呼び方を使い分けている事が、 特に事業者さんにはあります。
使い分けのしかたは、事業者さん個人個人によります。
相手が一般人(太さで説明)
細い電線→コード
太い電線→ケーブル
相手が設計者(場所で説明)
部屋の中にあって、普段生活するうえで見える電線→コード
部屋から見えない場所(ダクトなど)にある電線→ケーブル
相手が工事業者(具体的な製品名で説明)
どれがケーブルでどれがコードか 分かっていますので、 具体的に電線の製品名を指定します。
2PNCTなど
コードとケーブルを定義した法律
電気用品安全法(PSE)
旧名:電気用品取締法
電気用品安全法関係法令集→事業者向けの書籍です。
電気用品安全法令・解釈・規定等 – 電気用品安全法(METI/経済産業省)
要約
コードとケーブルの違いを表でまとめました。
コード | ケーブル | |
---|---|---|
使用場所 | 屋内 | 屋内・屋外 |
許容電流 | 小 | 大 |
用途電気機器 | 小型の家庭用 | 小型~大型 |
線の数 | 少 | 多 |
構造 | 弱 | 強 |
寿命 | 短 | 長 |
長さ | 短 | 長 |
形態 | 電源プラグ | コネクタ |
固定配線 | 禁止 | OK |
法律 | 電気用品安全法(PSE) | |
外径 | 細 | 太 |
定義はされているものの、
実際は、正しい使い方をされていない、 明確な違いで使われていないです。
伝わる方で使い分けています。