ヘルプマークが悪用される理由とは？

「ヘルプマークを悪用する人がいるってホント？」
「具体的にどんな悪用される？」

電車・バスで、ヘルプマークを つけた人を見かけたことがあるでしょうか。

見ただけでは、健康面に問題があると 分からない人が、 暗に周囲に知らせるためにつけます。

実際は健康面で問題があることに きづいてもらうことで、 助けを得ることができるのが ヘルプマークのメリットです。

ところが、ヘルプマークの入手方法が 簡単・無料な点を利用して、 健康なのに悪用する人が出ています。

（基本、障害者である証明を見せる必要がない）
（ただし、一部自治体は見せる必要があります）

具体的にどのような悪用をされているのか、見ていきましょう。

ヘルプマークの悪用事例

「健康でなにも問題ないのに恩恵をうけるズルをする」

・バスや電車の席に座れる。

・弱者のふりをして、若い女性にばかり近づいて痴漢。

前者はありがちですが、後者はかなり悪質です。

・妊娠していると思わせて、特別扱いを受ける。

妊娠中の方もヘルプマークの対象です。

ヘルプマークを悪用すると罰則は？

2023年8月時点、罰則はありません。

悪用したと証明するには、 障害者手帳などの提示ができなかった場合 が考えられます。

しかし、 ヘルプマークの対象者は 障害者手帳を持っていない人も 含みますので、 健康面に問題がない証明を するのは難しいです。

なぜ、ヘルプマークを悪用できてしまうのか？

2つ理由が考えられます。

1　ヘルプマークの対象者の条件
2　ヘルプマークの入手がカンタン

1　ヘルプマークの対象者の条件

ヘルプマークの対象者が、 ぱっと見、分からないけれど じつは苦しんでいて、 時には誰かの助けが必要な人 というのが ひとつにあります。

健康面で何の問題もなく、 普通に暮らしていける人が ヘルプマークをつけていても、 それこそぱっと見では分からないので、 悪用しているのか、正当に使っているのか 判断つきません。

2　ヘルプマークの入手がカンタン

もうひとつが、入手がカンタンであることです。

例えば、文京区では 障害者手帳を持っていない人でも、 希望すれば配付場所にいくことで
渡してもらえます。

文京区 「ヘルプカード」を配付しています

対象者だけがヘルプマークを もらいにいく前提ですが、 実際は、悪用する人まで もらいにいく現実があります。

ヘルプマークとは？

健康面で困っている人が、 周囲の助けを得るのが楽になるように、 と考え出されたマークです。

特に、見ただけでは分からないが 普段生活をするうえで、 一人では対処が困難な場面がある人が対象となります。

対象者

人工の手足や人工関節を使用している人
心臓、肺などに疾患をかかえる人
難病の人
妊娠初期（妊娠していることがわかりにくい）
発達障害の人
知的障害の人
精神障害の人
視覚障害の人
聴覚障害者の人
うつの人
など

健康の人と比べたとき、 バスや電車に乗っている場合ですと ずっと立っているのがつらい、 突然発作が起きてうずくまるおそれがある 人が、ヘルプマークをつけていることで 周りがきづき、助けを得られることを 目的としています。

また、ヘルプマークをつけていることで 優先席に座っていても 完全に健康な人ではないことを
見た人に暗に知らせることもできます。

2012年10月からヘルプマークは開始されました。

年と共に次第に配布場所が増え、 最初は東京都だけだったのが、 2018年11月末では 北海道、京都府、沖縄県など 多くの道府県が参加しています。

ヘルプマークをつけた人を見かけた場合

・電車・バス→席をゆずる。

・階段やデパート、エレベータなど→その場で立ち往生している様子であれば、手伝いが必要か話かける。

・バスや電車の事故、災害など→優先して避難の助けを行う。

ヘルプマークの入手方法

配布場所にいくことで、入手できます。

配布場所の例

役所、地下鉄駅、バス営業所、病院、保健センターなど

※郵送対応

都道府県によって、ちがいます。

郵送をまったく受け付けないところ、 その都道府県の住民で、取りに行くのが難しいならOK、 障害者の証明となる手帳を持っていたらOK などです。

※ヘルプマークは、販売されていません。
（ヘルプマークの転売問題がありました）。

ヘルプマークは自作（印刷）できます。

わざわざもらいにいかなくても、 都が提供する見本と同じものを作成すれば、 自分で作ってもいい決まりとなっています。

画像をダウンロードし、印刷する方法などがあります。

例

ヘルプマーク　東京都福祉保健局の実施方法「（3）お急ぎの場合」

要約

現在、申請の条件がゆるい ヘルプマークは 悪用ができてしまう状況です。

対象者だけが申請する前提で作られた ヘルプマークですが、 実際は関係ない人が使って 利益を得ている事例があります。

排除するには、 障害者手帳の提示などを 徹底するしかないでしょう。

とはいえ、 本来ヘルプマークを使うべき人が 遠慮して使わないことにもなりかねないため、 難しい問題です。

正しく使うかどうかは 各人のモラルに委ねられています。