クヌギなどのアクの強いどんぐりは、
そのままでは食べられません。
そのまま食べると、
とてもきつい渋味が、口の中に広がります。
(渋柿に匹敵か、それ以上です)
マテバシイと比べましたら、
決しておいしいとはいい難いです。
炒って食べてもすぐさま「オェッ」「ペッ」ってなります。
おいしくない理由は、アク。
しかし、アクさえとりのぞけば
おいしく食べられます。
今回は、クヌギのアク取り方法の話をしていきます。
アク取り方法がわかりましたら、
コナラやウバメガシなどのアクがきついどんぐりにも、応用できます。
「アク抜きしたんだけど、なかなか
とれないなあ。。。」
とお困りの方にも役立つ内容になっております。
ぜひごらんください。
下処理がだいじ
アク抜きする前にまず下処理をします。
下処理とは、
選別→殻割り→中身取り出し→4等分
です。
1・綺麗などんぐりだけ選びます。
水につけてみて、
沈むどんぐりだけ選びます。
浮いてくるどんぐりは、
● 虫食い
● 古い
● 傷んでいる
● かびている
からです。
2・どんぐりの殻をとり、中身を出します。
殻の割り方
どんぐりをハンマーなどで叩き割ります。
かたいので、結構重労働になります。
とにかく重いものならなんでもいいですので、
空きビンでも割れます。
うまく割れない場合は、粒の数を減らしてみます。
ビニール袋にどんぐりを入れて、
ふきんかタオルを上にかけて、軽く叩くと効率的です。
親御さんの見守るもと、
お子さんにやらせてみると、
楽しんでもらえるかもしれません。
「ちょっとハンマー疲れた・・・」
という場合は
● ペンチ
● プライヤー
● クルミ割りペンチ<おすすめ
● クリの皮むき用のハサミ<おすすめ
のどれかを使って
ぺきぺきヒビを入れ、爪で殻を剥がし中身を取り出します。
縦割すると、すくない力で割れます。
割る作業は、一つ一つ行うので手間がかかります。
他に殻をわる方法は、
●フライパンで炒る
●電子レンジでチン
があります。
フライパンで炒る時は
とんでどこかへいってしまわないように
蓋をします。
数分かかります。
フライパンで炒るより簡単なのは電子レンジです。
丈夫な封筒に入れて口を閉じて、スイッチを入れます。
30秒ぐらいパンパン鳴ってきます。
ならない場合はちょっとずつ秒をたして様子をみながら
つづけます。
あぶないので、いっぺんにたくさん入れないようにしましょう。
3・とりだした中身を4等分にします。
※表面積をふやします。
いよいよアク抜き
殻をわって、中身をとりだし、4等分にしたら
いよいよアク抜きです。
参考にさせて頂いた動画です
本編は1:30から。
4:19~ クヌギ拾い
やりかたは「煮る」です。
こまかくしたクヌギを、鍋で何度か水をいれかえながら煮ます。
すこし食べてみて、渋みがなくなっていればOKです。
アク抜きは、普通でしたら、
水に7日から10日つけますが、
時間がかかります。
しかも、毎日とりかえたりして
丹念に手をかけたとしても
渋がとれない事もあります。
せっかく正しい方法でやったのに、
ちゃんとアク抜きできなかったら
がっくりきますよね。
しかし、方法は他にもあります。「煮る」です。
長時間煮ますと、タンニンが効率良く溶け出していき
水に浸けて放置よりも短い時間で消えます。
具体的手順
・煮込む→1時間煮込む→黒い濁り
※途中でアクが浮かんで来るので、とります。
肉じゃがを作っている時に出るアクとそっくりです。
・一回お湯を捨てます。
・また煮込みます。(2回目)
もう1時間たったら再びお湯を捨てます。
・煮込みます。(3回目)
※今度は2時間煮込みます。
湯が黒→白へ変わっていく、
煮込む合間、
1回目と2回目の間、
2回目と3回目の間に、
ちょっと食べてみて平気そうなら、
1時間→1時間→2時間を守らなくても
オッケーです。
(それでも念のため、
4時間必要というめどは立てておいた方がいいかもしれません。)
・次は火を通す(水なし。)焼く。
こげめがつくまで
(水気をとばします)
これでクヌギどんぐりは食べられる状態になりました。
おいしくするには?
● 塩をつける。
● 天日干しする。
● 1週間ねかす(甘くなります)
アクがある理由
なんでアクなんかがあるのだろう?
アクの正体はタンニン。お茶の渋みと同じものです。
アクを蓄えている理由は?
自分の身を守るためです。
おいしい実のままだと
どんどん動物や人間に食べられてしまって。
種を保存する事ができません。
ですから、
パクっと食べた時に
すぐにペッと吐き出す。のをねらって
アクを身に含ませているのです。
これは何もクヌギといったどんぐりだけではなく、
大豆や種、野菜といったものは
すべてそういった
人体に良くない成分を含ませています。
ですから、
食べ過ぎますと、
よほどの量を食べない限り、
死にはしませんが健康に害が及びます。
(下痢とか便秘などです)
アク(タンニン)を取れる方法は、水。
タンニンは、水に溶ける性質があるからです。
水に長時間さらせばどんどん取れていきます。
ですから、水にさらす必要があるわけです。
ただ、水よりももっと効率良く溶かし出すならお湯です。
ゆでて煮出しても、
かるく4時間は必要ですから相当強烈なアクです。
他のどんぐりとの見分け方
クヌギ(0:00~)
帽子の部分がアフロみたいにちりちり、大きい。
どんぐりはころころ丸くて、ずんぐりした見た目。
マテバシイより大きい。
どんぐりの中では早い時期、
9月ぐらいにおちてくる。
カブトムシに好かれる木。
コナラ(1:05~)
ほそながい。縦に黒い筋が入っている。
帽子が小さい。うろこのような模様。
帽子だけ1つおちている。
底がふくらんでいる。
マテバシイ、クヌギより小さい。
マテバシイ(2:31~)
大きい、コナラの1.5倍くらい。
帽子はうろこのような模様
※帽子が枝ごと落ちている。(シイの特徴)
複数の帽子がついている。
底がへこんでいる。
アクがひかえめ、たべやすい。
シイの仲間はだいたい、食べるのに適している。
生でもいけます。
アラカシ、シラカシ(3:42~)
帽子が横縞。
アラカシ→頭に段差がない、つるっとしている。
シラカシ→頭に段差(溝)がある。
スダジイ、ツブラジイ(7:35~)
帽子が、先がぎざぎざ、葉っぱみたい。
3つか4つにわかれている。
またこちらも参考になります。
葉っぱ、樹木の違いもわかります。
要約
クヌギの正しい食べ方は、
「アク抜き」を行うことです。
しっかりアク抜きするには下準備がだいじです。
下準備してから
長時間煮込みます。
長時間ですからガス代にやさしくありません。
クヌギなどのアク抜きは、とても手間がかかります。
初心者さんにはちょっと処理が難しいのではと思います。
アク抜きが省略できるマテバシイがおすすめです。
マテバシイだけではなくスダジイ、ツブラジイなど
シイの実はもともとアクが少なく
食べるのに向いています。