「駐停車と、左折の正しい運転方法ってどうするんだっけ?」
駐停車と左折の正しい運転方法は、カンタンにいいますと
(基本)
駐停車→歩道に入る前に一時停止してから、できるだけ端に車を寄せる。
左折→できるだけ端に車を寄せて、徐行する。
共通点はできるだけ端に車を寄せるところです。
ただし、駐停車も左折も、道路の状態で、正しい運転方法が違います。
特にそのあたりで頭がゴチャゴチャしますよね。
今回は、駐停車と左折の正しい運転方法と、よくある疑問にお答えしています。
駐停車の正しい運転方法!
「駐停車するときは、左に寄せる直前に一時停止します」
?「一時停止する理由は?」
歩行者の存在を確かめるためです。
路側帯に入る前に、いったん停止して、後ろに歩いてくる人がいないか見て、いないのを確認してから左に寄せます。
しかし、道路の種類によってまた対応が変わります。
基本は歩道をまたぐときは入る直前に一時停止です。
歩道とは、路側帯も当てはまります。
1●歩道
2●路側帯(広い)
3●路側帯(狭い)
4●歩道や路側帯がない(またぐ線がない)
1●歩道
一時停止する必要はなく、そのまま駐停車します。
(歩道が専用にあり、中に入らないからです)。
(通行区分)
道路交通法
第十七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。
ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、 又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。
(停車又は駐車の方法)
道路交通法
第四十七条 車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
2 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
3 車両は、車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において、停車し、又は駐車するときは、前二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該路側帯に入り、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
2●路側帯(広い)
白線の中に入って、0.75m(75cm)以上の隙間を作っておきます。
理由は人が通れるようにするためです。
3●路側帯(狭い→0.75m〔75cm〕ない)
白線の中に入ってはいけません。白線に沿った状態で駐停車します。
狭いため、歩行者が通れるスペースを確保する必要があるからです。
4●歩道も路側帯もない(線がない)
左端に車を近づけて駐停車します。
交通のじゃまにならないようにするためです。
(停車又は駐車の方法)
道路交通法
第四十七条 車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
2 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
?「0.75mの根拠は?」
道路交通法には数字が書いていません。
道路構造令も歩行者については直接触れていませんが数字は書いています。
2-2 歩道等に関する規定
道路構造令について(1)30ページ
2-2 占有幅の考え方
○道路構造令では、各モードの占有幅は規定されていないが、歩道等の幅員の根拠としては、各モードの物理的な必要とされる幅員に一定の余裕幅を加え占有幅と考える方法を採っている。
○具体には、歩行者、自転車、車いすの占有幅を基礎にして、すれ違い等の実際の交通形態を想定して、歩道等の幅員を規定している。
歩行者:占有幅0.75m
左折の正しい運転方法!
【!!!注意!!!】
練習場所の広さ・方針などの都合で、教習所や担当教官によって、多少方法が違う場合があります。あくまでも参考としてください。
(左折の手順:カンタン)
1 ミラー確認
2 左折合図を出す
3 左に寄る(3秒の間に行う)
4 30m、左に寄ったまま走行(この間速度落とす)
5 左折前に巻き込み確認
6 左折する(徐行しながら)
(左折の手順:詳細)
1 ミラー確認
(バック・サイドを見て、自転車やバイク、あなたと同じく左折しようとする車がいないか確かめます)。
2 左折合図を出す
(早めに左折する意思表示を見せて、後ろの車や人に警戒してもらいます)。
3 左に寄る(3秒の間に行う)
左に寄せていきます。
50cm(0.5m)の隙間があくまでつめます。
(つめることで、自転車やバイクが通ってこれません)。
?「50cmの目安がわからない!」
路肩がある→路肩が目印になります。
路肩がない→自転車やバイクが通れそうにない幅が目安です。
4 30m、左に寄ったまま走行(この間速度落とす)
徐行できるくらいまで速度を落とします。
(速度の落とし方)
ブレーキを何度か踏めば、(ポンピングブレーキ)確実に速度メーターが落ちます。
1度踏んだだけではうまく落ちないことがあるからです。
また、後ろにいる車に「何かあるな」と警戒してもらう目的もあります。
?「なぜ30m?」
人が激しく行き来する場所から30mの場所(横断歩道など)は、追い越しと追い抜きをしてはいけないからです。
追い越し→進路変更して車を抜かす。
追い抜き→進路変更しないで、横を通り抜けて車を抜かす。
(追越しを禁止する場所)
道路交通法
第三十条 車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、他の車両(軽車両を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。
三 交差点(当該車両が第三十六条第二項に規定する優先道路を通行している場合における当該優先道路にある交差点を除く。)、踏切、横断歩道又は自転車横断帯及びこれらの手前の側端から前に三十メートル以内の部分
(横断歩道等における歩行者等の優先)
道路交通法
第三十八条
3 車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他の車両等(軽車両を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。
追い抜きについて
公益社団法人自転車道路交通法研究会 法務専門部会
通常の交通では、特に車両通行帯が設けられた道路において、進路変更を行うことなく、他の車両の側方を通過することにより、その車両の前方に出ることがある。
このような行為については、道路交通法上は特に規定がないが、進路変更を伴う「追い越し」と区別するために、一般的に「追い抜き」と呼ぶこととされている。
5 左折前に巻き込み確認
目で直接、左に人(歩行者、自転車、バイク)がいないか確認します。
ミラーだけでは死角がわからないからです。
左折ポイントまで来たら、ミラーと目で誰もいないことを確認して徐行のまま左折します。
!巻き込み確認方法!
まずミラー(バック・サイド)を見ます。
↓
ハンドルはまだ動かさないで、左に首をねじって直接後ろを目で見ます。
ミラーだけではわからない死角を確認するためです。
【!!!注意!!!】
ハンドルを左に動かさないままで目視を行ってください。
左に切りながら行いますと、人がいると分かっても止められなくて巻き込み事故を起こすからです。
いないと分かった後でハンドルを切ってください。
6 左折する(徐行しながら)
左折するときも徐行のままなのは、左折した先に、例えば横断歩道に人がいるかもしれないからです。
法律でも決まっています。
(左折又は右折)
道路交通法
第三十四条 車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
左折での1番の注意点は巻き込みです。
また、左折するときは合図も、左へ曲がる準備(端に寄っておく)も、早めに行うことがポイントです。
後ろにいる車や自転車やバイクに、左折する意思をすぐ伝えることがポイントです。
縁石にぶつけないで左折するコツ!
前のタイヤが縁石から完全に離れたとき(縁石がまっすぐ→カーブした形になったとき)にハンドルを切ります。
すぐに左折しないのがコツです。
問題は後ろのタイヤです。
前のタイヤを縁石にそわせるのではなく、大回りさせることで、後ろのタイヤがぶつからないですみます。
どこまで寄せる?(道路の種類べつ)
基本は道路の左の端に寄せます。
しかし、例外もありますので表にまとめました。
種類 | どこまで? |
---|---|
歩道 | 車道の左端 |
路側帯 | 路側帯に沿う 中入らない |
歩道・路側帯なし 人いる |
車道の左端 ※間隔あける |
歩道・路側帯なし 人いない |
車道の左端 |
路肩あり | 路肩に沿う 路肩踏まない ※歩道・路側帯ない場合 |
路肩なし | 端から0.5mあける 端から0.5m部分は踏まない ※歩道・路側帯ない場合 |
駐停車と左折の違いとは?
表でまとめました。
違い | 駐停車 | 左折 |
---|---|---|
一時停止 | する | しない |
動き | 道路横でとまる | 曲がる |
徐行 | しない | する |
共通点→できるだけ端に車を寄せる。
路肩はゼッタイ踏んだらだめ?
いいえ、歩道も路側帯もない道路だけです。
?「路肩のない道路なら、端を踏んでいいよね?」
いいえ、0.5メートル(50cm)の隙間をあけるように決められています。
(路肩通行の制限)
車両制限令(※道路交通法ではありません。)
第九条 歩道、自転車道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない道路を通行する自動車は、その車輪が路肩(路肩が明らかでない道路にあつては、路端から車道寄りの〇・五メートル(トンネル、橋又は高架の道路にあつては、〇・二五メートル)の幅の道路の部分)にはみ出してはならない。
?「どうして路肩を踏んだらダメ?」
作りが弱いからです。
重い自動車が通りますと、路肩が割れて脱輪するかもしれないです。
道路の端も同じ理由で踏んではいけないとしています。
路側帯と車道外側線の違いとは?
まぎわらしいですが、区分と目的が違います。
違い | 路側帯 | 車道外側線 |
---|---|---|
歩道 | 〇 | × |
駐停車時、入っていい? | 広→〇(人通る隙間あけておく) 狭→× |
〇 |
左折時、入っていい? | × | 〇 |
誰のため? | 歩行者 自転車 ※バイクはダメ |
車 |
区分 | 歩道 | 車道 |
歩道の隣りについている白線→「車道外側線」(しゃどうがいそくせん)です。
?なんのためにあるの?
車が左に寄りすぎるのを防ぐためです。
車道外側線でしたら、車道あつかいですので、中に入ってもいいです。
(軽車両の路側帯通行)
道路交通法
第十七条の二 軽車両は、前条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側部分に設けられた路側帯(軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる。
(定義)
道路交通法
第二条
八 車両 自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。
十一 軽車両 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽けん引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。
要約
最低限のポイントをあげていきます。
駐停車の正しい運転方法!
「駐停車するときは、左に寄せる直前に一時停止します」
その後は道路の種類で車の寄せ方を変えます。
※道路の種類によっては、一時停止しなくていい場合があります。
種類 | 一時停止 | 駐停車 |
---|---|---|
歩道 | しない | 道路の左端に寄せる |
路側帯(広) | する | 線の中入る + 0.75m空ける |
路側帯(狭) | する | 線の中入らない + 線に沿う |
歩道や路側帯がない | しない | 道路の左端に寄せる |
左折の正しい運転方法!
1 ミラー確認
↓
2 左折合図を出す
↓
3 左に寄る(3秒の間に行う)
↓
4 30m、左に寄ったまま走行(この間速度落とす)
ブレーキを何度か踏み、確実に速度メーターを落とします。
何度か踏むことで、後ろにいる車に警戒してもらう目的もあります。
5 左折前に巻き込み確認
ミラー(バック・サイド)を見ます。
↓
左に首をねじって直接後ろを目で見ます。
巻き込み確認の目的→死角を自分の目できちんと見ることです。
ハンドルは、巻き込み確認後に動かしてください。
6 左折する(徐行しながら)
?駐停車と左折の最低限おさえるべきポイントとは?
なにか行う前(歩道に入る・進路変更する)に、必ず歩行者、自転車、バイクの存在確認をすることです。
運転で気をつけることはなによりも人にぶつかるのを防ぐことです。
特に運転に慣れないうちは、なぜそれをしてはいけないのか、なぜ失格になってしまったのか、理由がわからないですよね。
今回のページで、頭のゴチャゴチャが少しでもスッキリしていただければうれしいです。