「融資(ゆうし)ってなに?よくわからない!」
ひとことでいうと、人からお金を借りることです。
だったら、「じゃあ借金っていったらいいんじゃないの?」と思うかもしれません。
じつは、融資と借金は違います。なにが違うか見ていきましょう。
融資と借金との違いは?
表でまとめました。
違い | 融資 | 借金 |
---|---|---|
する人 | 社長さん | お父さんお母さん |
使い方 | 会社につかう | 自分につかう |
審査 | むずかしい | かんたん |
●する人
融資→社長さん
借金→お父さんお母さん
融資ということばは、会社をつくるときに使います。
会社をつくるのは社長さんです。
借金は自分のものを買うときに使います。
あなたの住んでいるお家は、お父さんやお母さんが銀行に借金をして買ったものです。
毎月のお給料から少しずつ返しています。
●使い方
●融資→会社につかう
社長さん「新しく会社をつくりたい。でも、お金がない・・・」
銀行「貸してあげますよ」
社長さん「やったあ!これで会社がつくれるぞ!」
銀行「でも、お金を返してくれる人なのかどうか、きちんと調べてからね」
社長さん「いいよー!ちゃんと返せるように計画を立てるね!何に使うかもちゃんと教えるよ!」
銀行「ふむふむ、これなら大丈夫そうだね!じゃあ貸してあげましょう。お金は会社でもうけたときに返してね」
社長さん「わかったー!」
●借金→自分のほしいものにつかう
例えば、車を買うお金や、お家を買うお金です。
これは、自分のほしいものですよね。
一度使ったらおしまいです。
(会社は、商売でもうけますから、借りたお金よりも、もっと増やすことができます。)
高くて買えないものを、借金して自分のものにできます。
自分のものにできるかわりに、今度は借りたお金を返さないといけません。
あなたの例でいうと、
「お菓子を買いたいけど今月のおこづかい、もう使っちゃった。来月のおこづかいをちょうだい!」
これは借金です。
お父さんお母さん「いいよ。でも来月になってもおこづかいはあげませんからね」
子供であるあなたは、まだ返すことはできませんから、お父さんお母さんは来月のおこづかいをあげない条件を出すと思います。
あなたはお菓子を買えますが、来月のおこづかいはガマンしないといけません。
融資も借金も、人のお金を借りることです。
もらったわけじゃないので、かならず返すよと約束をして、本当に返さないといけません。
●審査(貸してもいい人なのかきちんと調べること)に合格するむずかしさは?
融資→むずかしい
借金→かんたん
会社をつくるには、お金がたくさんたくさん必要です。
「お金をたくさん借りたい!」とお願いしても、銀行はなかなか許してくれません。
100円と1万円をくらべてみましょう。
どちらなら、お願いされたとき、貸してもいいかなと思うでしょうか?
100円のほうですよね。
返ってこなくても気にしないお金も100円ですね。
このように、「たくさんたくさんお金を貸してちょうだい!」とお願いすると、審査がむずかしくなって、銀行にダメ!といわれてしまいます。
もしも、たくさんお金を貸したのに返ってこなかったらイヤだからです。
借金は、融資よりも、かんたんですぐ貸してくれます。
しかし、昔に返してくれなかったことがあったら、ことわります。
あなたも、前に貸したのに返してくれなかったともだちに、また貸してといわれたら、もう貸したくないですよね。
融資ってどうしたらできるの?
融資を銀行にお願いします(会社をつくりたいのでお金を貸してください)。
↓
審査してもらって、合格したらできます。
約束とは、貸したお金を約束したとおりに、本当に全部返してくれること です。
もしもお金を返してくれなかったら貸した人は困ってしまいます。
●審査に合格するのはとてもむずかしい!
100円、1000円ではありません。100万円、300万円など、とっても大金ですから、
貸す人はカンタンに「いいよ」といいません。
借りるお金が大きくなれば大きくなるほど、むずかしいです。
ちゃんと返してくれない人には、「ダメ!融資しません」とことわります。
正月に、お母さんから、「お年玉をあずかっておくからね」といって勝手に使われたことはありませんか?
あなたに借金したのですが、約束を破ったので、信じてはいけない人物だ、と思うことでしょう。
あなたが大人になったときは、お願いされてもお母さんにお金を貸さないほうがいいかもしれないですよ。(これは冗談です)
お金じゃなくても、マンガやゲームを貸したけれど返ってこなかったら、(借りパクです)とてもイヤな気持ちになりませんか?
一度貸してしまったら、あとは借りた人を信じるしかありません。
貸した人が困らないために審査はだいじです。
あなたも融資と関係があります
「ふーん。大人って大変なんだね」と自分には関係ないことだなと思ったかもしれません。
ところが、あなたも融資と関係があります。
●銀行のお金は、いろんなところで使われています。
銀行に預けたお金は、ずっとそのまま金庫においているわけではありません。
銀行は預かったお金を使って、「貸してほしい」と言ってきた人たちに貸しているので、お金は誰かの手にわたっています。
銀行は、たくさんの人に貸せば貸すほどお金をふやせるからです。
返してもらうときに、いっしょに手数料をもらいます。
この手数料で銀行は自分たちのお金をふやせます。
もしかしたら、あなたの預けたお金が、誰かの会社に融資されているかもしれませんね。
まとめ
融資は、お金を借りることです。
借金との違いは、つかいかたです。
融資→社長さんが会社をつくりたいときにお金を借りること。
借金→自分の欲しいものを買いたいときにお金を借りること。
お金を返す約束を破りつづけると、ともだちとぜっこうすることになります。
お金を借りたら、必ず返してください。